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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.183 ■□■
*** 品質不祥事に思う ― 文書化7 ***
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品質不祥事がマスコミを騒がしている昨今、皆様は自分の組織の実態を
どのように観ておられますか。
実態を観るといっても、いろいろな観点が輻輳しており単純には実態を
評価することはできないのですが、この際に実施することを強くお勧め
するのが実態と標準の乖離程度のチェックです。
■□■ 6.文書承認のポイント ■□■
文書を承認することについて考えてみたいと思います。
文書はその対象についてよく知っている人が作成します、いやよく知って
いる人が作成しなければなりません。
文書を承認するとなると、それを作成した人よりもその対象について知って
いなければならないと思いがちですが、そのようなことはありません。
文書の承認者は対象業務に通じていることに越したことはありませんが、
作成担当者より詳しい承認者は普通いません。
文書審査者が心得ているべきポイントは、文書作成者が陥る可能性を知って
いることです。そのためには、文書のレビューで作成者の陥りやすいことを
チェックする手順を理解しておくと良いでしょう。
■□■ 7.文書のレビュー ■□■
文書作成者が陥りやすいこととは何なのか考えてみたいと思います。
よく言われることですが、人は自覚していないと木を見て森を見ないということが
よくあります。森を見ないということは、作成する文書の目的をしっかりと理解
していないことから起きます。
標準文書作成の目的は一般に次の3点です。
1.期待される結果を得るための手順、手段を明確にする。
2.実施する人によって結果がばらつかないように判断基準を定める。
3.実施後に起きるかもしれない問題に備える。
文書審査者(承認者、レビュー者)は、この目的に沿わない文書になっていないかを
チェックする役割を担っています。
■□■ 8.レビュー及び改訂の手順 ■□■
文書作成の目的が明確である文書であれば、文書審査はパスできますが、ここで
レビュー及び改訂の手順を説明したいと思います。
1.期待される結果を明確にする。
2.期待される結果の最終アウトプットの形を明確にする。
3.最終アウトプットの形を得る直前には何をしなければなら ないかを明確にする。
4.その前には何をしなければならないかを明確にする。
5.順次その前、その前と確認し、最初の着手まで明確にする。
この手順では、「何をしなければならないか」、すなわち一つの活動がポイントに
なりますが、活動の大きさがここで問題になります。
あまり大きく捉えて活動を記述すると実施者の力量を超えてコントロールできなく
なります。
文書審査者は一つの活動が実施者の力量の範囲に入っているか確認する必要が
あります。確認のポイントは、管理できる大きさ、意味のある小ささです。
■□■9.文書変更、改訂■□■
組織には、文書管理規定があります。もしなければ作らなければなりません。
ISO 9001で明示的に要求していなくてもマネジメントシステムの根幹である
文書をどのように管理するかは必要不可欠のマネジメント要素です。
この文書管理規定に沿って文書変更、改訂を着実に行っていきます。