タグアーカイブ: ISO9001

食品安全について | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.45 ■□■

*** 食品安全について ***

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 JAB(公益財団法人日本適合性認定協会)が2011年7月1日から
FSSC22000の認証スキームを開始しました。

 FSSC22000は、昨年(2010年)10月に日本コカ・コーラが国内の
ベンダーに対して、その認証取得を2012年末までに要請したことで
注目を集めました。

 そのため、国内では170社ともいわれるコカ・コーラの取引先が
いっせいにFSSC22000の取得に動き始めました。

 FSSCは「Food Safety System Certification」の略で、オランダの
FFSC(Foundation for Food Safety Certification)という民間の組織が
作った認証スキームのことです。

 特徴は、ISO22000とBSI規格/PAS220(食品製造のための
食品安全に関する前提条件プログラム)を組み合わせた認証スキーム
であるという点です。

 私が興味をもったのは、この認証スキームが二者監査用に作られて
いるという点でした。

■□■ 二者監査の代用 ■□■

 二者監査用の規格としては、自動車、航空機などに代表される
セクター規格が、ここ20年徐々に普及してきました。

 ISO9001に代表される第三者審査に対して、セクター規格を
利用した二者監査が復活してきている現状は、今日の第三者審査
が初期の期待に応えていないからだと思います。

 1980年代、ISO9001の第三者審査がスタートした当時、制度の
目的の一つに「二者監査の共通化」があるといわれました。

 多くの顧客と取引をしている各種部品・サービスの供給者からは、
顧客が次から次と監査に自社を訪れることに対して、監査の
軽減化を叫ぶ声が多くありました。

 そんな時代にISO9001の認証が二者監査の代用になるという
触れ込みで第三者審査制度がスタートしました。

■□■ 第三者審査の信頼性 ■□■
 
 以来、30年の歴史の中でISO9001は世界で100万件を超える
認証数を発行するに至りましたが、残念ながら二者監査の代用
としての役割を果たすことはできませんでした。

 ISO9001規格は、規格の要求が一般的でありすぎ、発注者
(例えば、自動車でいえばビッグ3自動車会社、航空機であれば

ボーイングなどの航空機メーカー)などの視点からは更に特定
しなければならない要求事項が多くある、ということがその理由の
一つです。

 もう一つ言われていることが、第三者審査の信頼性の低下です。
一時、国内の行政からの要求で、公共工事にはISO9001の認証を
必要とする、という規制からISO9001の認証が広がりましたが、

7、8年間に渡る経験の中からISO9001を取得している建設業者が
必ずしも品質の高い仕事をするわけではない、ということに結論
付けられてしまいました。

■□■ PAS220とISO/TS22002-1 ■□■

 ISO22000は、食品安全の管理に特化した規格ですが、その中の
PRP(前提条件プログラム)要求が一般的すぎると言われてきました。

 そのため、食品小売業界の国際ネットワークである
CIES(International Committee of Food Retail Chains)の下部団体で
あるGFSI(Global Food Safety Initiative)は、ISO22000をGFSIの
推奨規格として承認してきませんでした。

GFSIは、世界の様々な食品安全規格のうち、GFSIガイダンス文書に
合致する食品安全規格の選択活動をしている団体です。

 このような中、2008年にISO22000と合体して活用するための
PRP規格としてPAS220をBSIが発行し、これを受けFFSCが、

ISO22000とPAS220とをセットとしたFSSC22000を開発するに
至ったわけです。

 一方ISOは、PAS220を基に2009年にISO/TS22002-1(食品安全
のための前提条件プログラム 第1部:食品製造)を発行しました。

現在、FFSCはPAS220のみでなく、ISO22002-1とISO22000とを
セットにしたものもFSSC22000として認めています。

■□■ 第三者審査への期待 ■□■ 

 ISO9001に代表される第三者審査が初期の目標、期待を達成する
ことができなかったことは残念なことです。

 しかし、多様な組織に対応するために要求事項を一般化している
ISO9001では二者監査が期待するパフォーマンス(成果)への要求
には応えられないことも実証されたといえます。

 ISO9001規格の開発に携わっている者としては、セクター(業界)
規格が段々に出てくることに忸怩たる思いがありますが、現実は
直視しなければなりません。

 次期ISO9001改正版に向けては、規格の要求に「パフォーマンス」
に関することを何かしら入れ込まなければならないと、改めて考え
させられることです。

 そしてより大きな問題は、第三者審査のISO9001信頼性低下であり、
ISO9001のみならず各種マネジメントシステム規格にとっての大きな
課題です。

品質マネジメントシステムの再設計その2 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.35 ■□■

*** 品質マネジメントシステムの再設計その2 ***

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テクノファ代表取締役の平林です。

中小企業では、
  社長の発案でQMSの構築、
   ISO9001認証プロジェクトを始めるケースが多いようです。

しかし、社長によっては、自分で発案したにもかかわらず、
 自身がQMSを使うユーザーでもあるという認識が薄いようです。

せっかくQMSという製品を買うと決めたわけですから、
 その製品の機能をフルに発揮させて、
  自分のニーズを満たすという発想になれば
   よりよくQMSの成果を享受できるはずですが、
    そうでない社長が世には多く存在すると感じます。

もっとも、社長自身がQMSの構築、ISO9001認証プロジェクトを
 発案する場合は、まだ社長の推進力に期待することができると思います。

問題なのは、中規模以上の組織に多く見られる、
 部下から具申されてはじめて重い腰を上げる社長のケースでしょう。

■□■ QMSのユーザーとしての社長 ■□■

社長にQMSのユーザーとなってもらい購入意欲を持っていただくには
工夫が必要です。

社長が会社を経営していて一番優先的に考えていることは
「利益を上げること」です。

したがって、利益を上げるというニーズを満たしてくれる製品には
強い購入意欲を持ちます。

会社組織の中には、まだまだ多くの無駄が潜んでいます。

組織はいろいろなリスクに晒されていますが、一番大きなリスクは
市場で発生するクレームでしょう。

会社利益増大に貢献する要素には、他にも次のようなものが考えられます。
     ・新製品の市場への投入
      ・市場シェアーの拡大
       ・目標の貫徹
        ・課題(再発防止など)の解決
         ・顧客満足の向上
          ・社会からの信頼性向上
           ・優秀な人材の確保
            ・教育訓練の効果的運用など

組織にはまだまだ利益を増大させるチャンスがたくさんあります。
  これらを社長に「見えるようにする」ことが第1点です。

第2点は、
  QMSが利益を増大させることに
    有用な道具であることを理解してもらうことです。

ここでは、第1点目の
  「利益を増大させるチャンスがたくさんあることを
    見えるようにする」ことを述べたいと思います。

■□■ 利益増大チャンスの「見える化」 ■□■ 

いろいろな利益増大チャンスの中にQMSに一番近いものが
  「品質コストの削減」です。

QMSは上述の「新製品の市場への投入」~「教育訓練の効果的運用」
  利益増大チャンスにも有効ですが、品質管理に関係するQMSを
    売り込もうとするならば、品質コストの削減が一番説得力あると思います。

一般に「品質コスト」と総称されていますが、
  品質コストは大きく分けて維持コストとロスコストの2つに分けることができます。

  さらに維持コストは
      ①検査コストと
       ②品質管理コストに分けることができます。また、ロスコストは
        ③工程内損失コストと
         ④市場クレームコストに分けることができます

■□■ ロスコストの削減 ■□■

ロスコストの削減とは「不良品の撲滅」です。

不良品と一口でいっても、
 社内で発見される不良品から
  社外で発見される不良品、
   さらに分けると外注会社で発見される不良品、
    社内中間工程で発見される不良品、
     社内最終検査で発見される不良品、
      流通過程で発見される不良品、
       顧客先で発見される不良品など

  いろいろな場所で不良品は発見されます。

まずは、品質コストの現状がどうなっているか調べましょう。
  この調査は「金額」で表します。

見える化とは見る人の頭脳に入りやすい手法をいいますが、
  ここでは金額をグラフなどにして表現するとよいでしょう。

「ロスコスト」の半減が
  社長をQMSのユーザーにする「セールストーク」であったとしても、
  第2点目である「果たしてQMSはロスコスト削減に効果がある」のでしょうか。

多くの人が多分あると答えるでしょうが、
 QMSが「ロスコスト」の半減に効果がある、
  もうすこし大きく捉えて経営目標とQMSとはどのような関係になっているかを、
   組織の多くの人に理解していただく必要があります。 
                                      
   (次回へ続く)

品質マネジメントシステムの再設計 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.34 ■□■

*** 品質マネジメントシステムの再設計 ***

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テクノファ代表取締役の平林です。

品質マネジメントシステム(QMS)についてその有効化の議論が盛んです。

「ISO9001(QMS)を構築してもその効果がはっきりしない。」

「ISO9001を維持していくコストを考えると
       現状のままでは継続していくことに疑問がある。」

このように感じている組織が増えているようです。

これにはいろいろな要因が絡んでいます。

いままでは「どうして効果が出ないのか」を議論してきましたが、
これからは「どうすれば効果が出るのか」を議論していくべきであると思います。

■□■ 現状は・・・ ■□■

ある講習会で「本業が忙しくてISOをやっていられない」という声を聞きました。
この嘆きは多くの組織の事務局の共感を呼ぶものであるようです。

ISO9001、あるいはISO14001の事務局の声として、
       現状を的確に表している声であると思います。

この声の後ろには、QMSが日常業務の中で必要なものとして
       扱われていないということがあると感じます。

本来日常的業務の中で機能しなければならないQMSが、
 現実には無視され、認証審査のときだけ思い起こすように
  システムが見直しされるという現実があるようです。

それでは、「どのようにすれば効果が出るのか!」・・・への答えは、
ズバリ、「効果の出るQMS(品質マネジメントシステム)を作ること!」につきます。

何か禅問答のように聞こえるかもしれませんが、考えても見てください。
  QMSのユーザーは誰でしょうか?
    ユーザーの期待とニーズ(必要性)は何でしょうか?

    当初のQMS設計においてのインプットは何だったのでしょうか?

QMSは、果たしてこのような問い掛けをして設計/構築されてきたのでしょうか?

      もし答えが「NO」であるならば、組織は「QMSの再設計」をすべきです。

ISO9001:2008序文0.1一般には
「品質マネジメントシステムの設計及び実施」について次のような記述があります。

■□■ ISO9001:2008序文0.1一般 ■□■ 

「品質マネジメントシステムの採用は、組織の戦略上の決定によることが望ましい。
 組織における品質マネジメントシステムの設計及び実施は、
 次の事項によって影響を受ける。

  a) 組織環境、組織環境の変化、及び組織環境に関連するリスク
  b) 多様なニーズ
  c) 固有の目標
  d) 提供する製品
  e) 用いるプロセス
  f) 規模及び組織構造」

序文においては「設計:design」という用語が使われています。
        この設計という作業が重要なのです。 

           設計にもいろいろなものがあります。

すなわち普通の製品(たとえば携帯電話)で言えば、
  まったくの新製品であったり、
    派生製品であったり幾つかの種類があります。

QMSという製品はすでに市場に出ています。
  最初は興味をもつユーザーがいたのですが、 
    徐々に価値が失われ今やユーザーが離れてしまい
      市場から撤退するか問われている状況にいます。

■□■ 誰がQMSのユーザーか? ■□■

「誰がQMSのユーザーか?」
   これは根源的な問いかけです。

QMSをひとつの製品と見立てた場合、
QMSという製品を使用するのは組織の全員です。

すなわち、QMSの購入者、ユーザーは組織の人です。

通常の製品・サービスにおいてユーザーは
  製品を使用したくて購入するわけですが、QMSという製品は
    ユーザーに強い購入意欲を感じさせるものではないようです。

    強い購入意欲を感じるどころか、そもそも組織の人は
    QMSを購入したいと思っているのでしょうか。

QMSの購入者、ユーザーは「組織の人です」・・・といいましたが、
  実は外部にもQMSのユーザーはいます。

  子会社、協力会社の人たちは組織のQMSに基づいて仕事をしていますから、 
    QMSという製品を使用しています。

また、組織の製品・サービスを買ってくれる顧客も間接的ではありますが
  QMSのユーザーといえます。      

(次回へ続く・・・平林)

コミュニケーション1 | 平林良人の『つなげるツボ』

■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.30 ■□■

    *** コミュニケーション ***

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テクノファ代表取締役の平林です。

先日ISO/TC176の国際会議(総会)で1週間コロンビアのボコタへ
行ってきました。

今回も宜しくお願いいたします。

■□■ コロンビア、ボコタ ■□■ 

コロンビアでは入国前に考えていたほど英語が通じませんでした。
入国審査では、スペイン語ができなければきちんとした意志疎通が
できないことがわかりました。スペイン語ができない私にとって、
空港では苦労の連続でしたが、ホテルのフロントでやっと英語が
通じ、ほっとしました。

出発時にボコタは標高2600mの高地にあると聞かされていましたが、
思った以上に寒く体調管理に苦労しました。平均気温が15度との
情報があったので、セーターも用意していきましたが、朝晩は
もっと厚手の衣類が必要でした。

富士山の6合目という高地では、酸素が薄く、アルコールを飲めば
酔いは早く回るし、時差ボケはなかなか取れないし、いつも
何となく疲れた気分でしたが、体調管理に慣れた頃には帰国という
1週間でした。

ボコタでは10年前位に商社の幹部が拉致された事件もあり、
事務局からはできるだけ市街には出ないようにと言われて
いましたので、1週間専用バスによるホテルと総会会場との
往復だけで一切市街地には出ませんでした。

■□■ 「ISO/TC176の総会」とは ■□■

ISOにはTC(Technical Committee:専門委員会)と呼ばれる委員会が
数百あります。TCは3万近いISO発行の規格(標準)を最新化したり、
新規格を審議したりする役割を担い、最終的に国際規格の発行にまで
こぎつける機能を持っています。

私の属しているTCはTC176と呼ばれ「品質マネジメントシステム
:ISO9001」の規格を審議しています。TC176は1981年に176番目の
専門委員会として組織化されました。ちなみに、TC1は1927年に
組織化された「ねじ」の規格を審議する専門委員会だそうです。

それぞれの総会は、原則1年に1回開催されることになっていますが、
今回のTC176の総会は昨年の東京総会(2009年2月)に続くものです。

今回は実質1年半ぶりの総会で、今後のISO9001規格のあるべき姿、
next 10years strategy が大きなテーマでした。

■□■ 今後のISO9001はどうなる ■□■

さて、次回に改訂が予定される9001規格はどのようなものになる
のでしょうか?
既に今年2月には、ロンドンで次回9001規格に関する会議が開催
されています。日本からは出席しませんでしたが、ロンドンでは
次期ISO9001規格をどのようなものにすべきかの議論が行われ
ました。2009年2月の東京総会におけるブレーンストーミングに
つぐ議論でした。

2月ロンドン会議では幾つかの要素についてコンセプトを議論
しましたが、今回はそれらを継続して行うこととISO9001規格への
影響についての考察をまとめる会議となりました。

私は、プロセスの結果/改善/効果性(Results/improvement/
effectiveness) について議論をするグループのリーダーに
なりました。

私のチームは総勢5名、国籍はインド、香港、メキシコ、チェコの
非英語圏(インド、香港は英語圏か?)のグループです。たまたま、
非英語圏の委員だけが集まったわけで、最初からメンバー構成が
決っていたわけではありません。

英語圏の委員はつい自分のペースで話をするために他の委員が
ついていけないことがありますが、今回はお互いがそうした経験を
活かし、じっくりとテーマについて検討することができました。
非英語圏のグループだとはいっても、インド、香港の委員の英語は
他の委員の英語より流暢です。

■□■ 国際会議でのポイント ■□■

言葉の問題は国際会議についてまわる基本的な問題ですが、相手の
言っていることが理解できなければ、そこで即刻「わからない」
と言うことがポイントです。

この「分からない」と言い出すことは若干勇気がいるのですが、
その後ずーっと議論の道筋から外れていってしまうことを考えると、
分からないと思ったタイミングで一言発言することです。

「聞くは一時の恥」とかいいますが、恥でもなんでもなく、
聞いている人の権利であると思わなくてはいけないと感じます。

この点、日本人は奥ゆかしい、遠慮しがち、消極的、内向的など、
いろいろな表現がありますが、兎に角そこで質問する事が重要なの
です。
 

■□■ 大したことを言っていない ■□■

質問すると丁寧な回答が帰ってきますが、こちらの聞き間違え
だったり、相手が勘違いしていたりといろいろなケースがあり
ますが、私のケースでは相手が勘違い、あるいは論理の飛躍、
筋の通らないケースが多くありました。

勿論、相手の発音が不明瞭だったり、こちらの聞き取りが充分で
なかったりするケースも多いのですが、日本語の会話と同じで、
意味が通じなかったらそこで意思疎通を図っていくという
ことが重要であるということが言えます。

それにしても、英語という言葉の飾りに惑わされ、内容の吟味が
されないケースがよくあります。

英語で話されるとなんとなく立派に感じてしまうのは、英語
コンプレックスを持っている日本人の常ですが、内容を確認すると
「たわいもない」ことを言っていることが多くあります。

我々、日本人は論理的な考えで筋を通して議論することに慣れて
いないとよく言われてきましたが、私の経験から言うとそれは
個人的な属性であって、国ごとに傾向があるとはとても思えません
でした。

時空をつなげる| 平林良人の『つなげるツボ』

■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.9 ■□■
 
  *** 時空をつなげる ***

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テクノファ代表取締役の平林です。

今回は、「時空をつなげる」ということで国際会議の話をさせて
いただきます。

では宜しくお願いいたします。

■□■ 時間と空間が切れてしまう ■□■

飛行機に乗っていて、はっと目を覚まします。
頭の中は、一瞬、今自分はどこにいるのだろうかと不安になり
ます。

私は国際会議に行くとき、目的地との間に時差が5時間以上あ
る場合は目的地に着いて直ぐに活動できるように、飛行機に搭
乗したら即刻寝ることにしていました。

しかし、人間のバイオリズム(生物の周期)は簡単には変えら
れません。眠ろうとすると却って眠れません。今まで何百回に
及ぶフライトにおいて、こんなことを何回繰返したことでしょ
う。

いろいろなパターンを試みましたが、最後に落ち着いたのが眠
くなったときに寝るというものでした。

最悪の場合、目的地に着いてから寝るということも出てくるこ
とになり、最初に考えた処方箋とは異なるものになってしまっ
ています。

何とか日本にいるときのリズムをそのまま保ちたいと思うので
すが、なかなか思うようにいきません。しかし、たとえリズム
を保つことができなくても、思考、記憶だけはつなげておきた
いと思っています。

■□■ 自分が変わる ■□■

約40年前、初めて海外へ行ったとき、私は日常生活を脱して
海外へ行けば自分が変わるのではないかと思っていました。

何が変わるのか、変わること自体が何かも自覚していませんで
したが・・・。

しかし、結果は何も変わりませんでした。それからしばらく経
ってようやく気が付きました。

自分は自分であり、環境が変わっても自分は変わらない。
もし、変わりたければ自分を変えなければならないということを・・・。

■□■ ISOとは国際観光協会か ■□■

ISOは“International Organization for Standardization:国
際標準化機構”の略ですが、時々“International Sightseein
g Organization”と揶揄されます。

揶揄されるように国際会議の場所は世界の観光地が選ばれます。

2000年 : 南アフリカ ダーバン
2002年 : メキシコ アカプルコ
2003年 : イギリス ロンドン、ルーマニア ブカレスト
2004年 : マレーシア クアランプール
2005年 : コロンビア カルタヘナ、パナマ パナマシティ
2006年 : アイルランド トラリー、スペイン マドリード、韓国 プザン
2007年 : フィンランド ヘルシンキ
2008年 : セルビア ノビサト

私が2000年から今年にかけてISO国際会議に出席した国々は上記
のとおりです。

ISOの統計によると、ISO/IECにはTC(専門委員会)が200委員会、
SC(サブコミッティ)が500委員会、WG(ワーキンググループ)
は少なくとも2,000位あり、年間を通じて毎日15の会議が世界の
どこかで開かれているそうです。

すなわち、毎日15種類の国際会議がISOの名前の下で開催さ
れているのです。この数には学術会議、学会の国際会議、政府
関係の国際会議などその他いろいろなものは入っていませんの
で、世界で行われている会議は膨大な数になっていると思いま
す。

■□■  ISO9001 規格改正の国際会議 ■□■

ISO/TC176国内対応委員としてISO9001規格改正の国際会議にお
ける議論に直接携わった、弊社代表取締役平林良人が講師を務める
セミナーをご紹介します。

「平林良人による ISO9001新旧規格対比解説と
ISO9001有効活用術 コース」
http://www.technofer.co.jp/training/iso9000/sq14.html

■□■ 国際会議は平常心で ■□■

国際会議へ行っても自分が変わるわけではない、結局自分は
自分でしかないということが分かってから、いろいろと発言する
ことも楽にできるようになりました。

いわゆる、構えることをしなくてすむようになりました。相手
が外国人であろうが、何人いようがいつもの自分で話をするこ
とができるようになりました。

構えると心にへんな緊張感が走ることになり、思った事が言え
なくなってしまうのです。そうすると頭脳もおかしな働きをす
るようで、平常時には思いもしないことを口走ったりするもの
です。

時間も、空間もあたかも継続して繋がっていることを意識して、
日本にいたそのままに振舞うことがパフォーマンスを上げるこ
との秘訣であると思うようになりました。