タグアーカイブ: ISO9001:2015

ISO9001:2015電子書籍 | 平林良人の『つなげるツボ』

—————————————————–
■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.133 ■□■
*** ISO9001:2015電子書籍 ***
—————————————————–

■□■ ISO9001:2015移行審査 ■□■

ISO9001:2015への移行審査が行われています。いろいろな方の情
報を合わせると、まだ移行審査を受けていない組織が7,8割方あるよ
うです。

2018年9月が移行期間の完了ですので、残された期間は約1年半で
す。これから移行をされる組織の皆さんに役に立つ電子図書が発行さ
れましたので紹介させていただきます。

ISO9001 の初版は1987年に発行されましたが、1994年に第1回目の
改正、2000年に2回目の改正、2008年に3回目の改正、そして今回は4
回目の改正になります。多くの人が言うように、今回の改正はISO9001
改正の歴史の中で一番大きな改正です。

■□■ 附属書SL:共通的テキスト ■□■

2012年、ISOは附属書SLと呼ばれる共通テキストを発行しました。この
共通テキストはこれまでのISOマネジメントシステム規格(MSS:Mana
gement System Standard)の構造、タイトル、文章を共通にしてユー
ザの利便性を図ったものです。

2000年改正では、ISO9001が取り組む対象が品質保証から品質マネ
ジメントに変わり、大きな改正であると言われました。そして、2015年
改正はISO/IECのMSSすべてに関係する大きな改正であり、組織に利
便(価値)をもたらすものです。

共通テキストは、現在13種あると言われるMSS (品質、環境、情報セ
キュリティ、食品、ITサービス、教育、イベント、アセット、社会セキュリ
ティ、エネルギー管理、道路交通、事業継続、労働安全(開発中)) を
はじめ80種くらいあるガイド文書すべてを対象としています。

共通テキストは組織の品質マネジメントシステムに従来にない要求事
項を追加しました。

■□■ ISO9001:2015改正のこころ ■□■

真!品質経営実践シリーズ ISO 9001改正の『こころ』

超ISO企業研究会では「ISO9001:2015改正のこころ」とタイトルした電
子図書を2017年3月アマゾンから発行しました。

この「ISO9001改正のこころ」は、超ISO企業研究会が、そのメルマガ
で、執筆者4名(平林良人、住本守、村川賢治、飯塚悦功:執筆順)が
リレーして今回の2015年改正の背景、狙い、期待などを書き連ねた原
稿をとりまとめたものです。

メルマガでは書ききれなかった図表などを加えていますので、図書に
することでメルマガ以上の内容を含んでいます。執筆者はいずれも超
ISO企業研究会のメンバーで長年ISO 9001の普及、啓発に携わってき
た専門家者です。

■□■ 「ISO9001:2015改正のこころ」内容 ■□■

「ISO9001:2015改正のこころ」の内容は次のようになっています。

第1話 ISO 9001の源流
第2話 目的志向で考えるQMS
第3話 組織の能力
第4話 ISO 9001の戦略的活用
第5話 ニーズの源流は市場にある
第6話 QMSを支える活動
第7話 QMSの適用範囲;組織の状況、利害関係者、製品・サービス
第8話 QMSの適用範囲;適用可能性
第9話 QMS設計・構築へのプロセスアプローチ
第10話 プロセスアプローチ(追補)
第11話 QMSの自立的設計に向けて

■□■ 執筆、監修者は次のとおりです □■

執筆
平林良人:第1話~第3話
住本 守:第4話~第6話
村川賢治:第7話~第8話
飯塚悦功:第9話~第11話

監修
飯塚悦功 東京大学名誉教授 超ISO 企業研究会会長
平林良人 (株)テクノファ会長 超ISO 企業研究会副会長
金子雅明 東海大学専任講師 超ISO 企業研究会副会長

組織の能力 | 平林良人の『つなげるツボ』

—————————————————-
■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.122 ■□■   
     *** 組織の能力 ***
—————————————————-

■□■ 11か所に「(組織の)能力」 ■□■

前回、ISO9001:2015 には11か所に「(組織の)能力」という用語
が出てくるとして、それらが繋がっているというお話しをしました
。また、「組織の能力」については、具体的なものに置き換える
というお話しもしました。

■□■ 4.1の注釈の意味 ■□■

4.1には注記が3つあります。今回はその内から、注記1につい
てお話ししたいと思います。
「注記1 課題には,検討の対象となる,好ましい要因又は状態,
及び好ましくない要因又は状態が含まれ得る。」

注記1は「組織の能力に影響を及ぼす、外部・内部の課題」につ
いて参考になることを述べています。普通、課題と言えば「好ま
しくない要因又は状態」を考えると思います。しかし、この注記1
では「好ましい要因又は状態も含まれ得る」と書かれています。
なぜでしょうか?
 
■□■ 組織の能力とは ■□■

現在組織が存在し得ているのはどうしてなのか、組織の中にい
る方はあまり考えたことがないと思います。

しかし、誰かが創業し長年にわたって市場に存在しているという
ことは、何か優れていること、魅力のあること、他社にはないも
のが存在しているからではないでしょうか。

誰しもそのような疑問を漠然とは考えたことはあったと思います
が、まじめに?きちんと考えたことはないのではないでしょうか。

例えば、

・NO.1の製品を持っている
・トップシェアである
・古い歴史がある
・社会に名が知れている
・有為な人材がいる
・国際的に活躍している
・卓越した技術がある
・豊富な資金を有している  など

■□■ 後に続く要求事項 ■□■

箇条4.1で決定したことは、その後の箇条の要求事項に繋がり
影響を与えますので、ここは組織内で一度ブレーンストーミング
などをして適切な答えを得ておくと成果に結び付くと思います。

ちなみに、「組織の能力に影響を与える外部・内部の課題」は、
箇条4.3、箇条6.1.1要求事項における考慮事項になっています。
また、箇条9.3.2マネジメントレビューにおけるインプット事項にも
なっています。

■□■ 好ましい要因又は状態 ■□■

組織が今市場シェアでトップに立っているということは好ましい
状態です。この好ましい状態を続けていくということはこの組織
にとって一つの課題になり得るのです。

なぜ組織は市場シェアでトップに立っているのでしょうか?それ
は、競争相手に対して何かで差別化していることの結果にほか
なりません。それは何でしょうか?その答えが「組織の能力」で
す。

先に上げた;

・有為な人材がいる
・卓越した技術がある

等でしょうが、本当は他にもその答えがあるかもしれません。

例えば;

 ・引き渡し後のサービスが優れている
 ・困ったことに相談に乗ってくれる
 ・スピードが速い

などかもしれません。

■□■ 把握できないと維持できない■□■

市場シェアNo.1の理由、即ち本当の組織の能力を把握できない
と、その能力は意識されず、当然のこととして忘れ去られている
ことになり、現在のレベルを維持できなくなるでしょう。すなわち
、将来市場シェアNo.1の座を明け渡す可能性が高まることに
なります。

ここに本当の組織の能力を把握する意味があるのです。好まし
い現在の状況、なぜそうであるのかの要因が外部・内部の課題
の対象になり得ることはお分りになったことと思います。

システムは繋がっている3 | 平林良人の『つなげるツボ』

—————————————————–
■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.121 ■□■
*** システムは繋がっている3 ***
—————————————————–

■□■ 繋がっている他の要求事項 ■□■

ISO9001:2015 には11か所に「(組織の)能力」という用語が出てき
ます。

前回につづき「組織の能力」について、具体的なものに置き換える
話をしたいと思います。

■□■ 箇条7.1.1a) 実現能力 ■□■

7.1.1a)には組織の能力ではなく、実現能力として出てきます。「既
存の内部資源の実現能力及び制約」を考慮して、QMSの効果的
な実施、及びプロセスの運用及び管理に必要な人々を明確にし、
提供しなければならない、と要求されています。

ここでいう実現能力を一般用語として見逃してはなりません。現実
の世界に置き替えましょう。テクノファの例でいうならば、実現能力
とは「審査員研修コース5日間をJRCA基準に基づき受講者の方を
満足させて終了させる」能力を意味します。

テクノファの場合、内部資源にこの実現能力は充分にありません
。当社の審査員研修コースの種類、実施回数を考慮すると30人く
らいの講師が必要となりますが、内部資源では制約があり、現在
実現能力としては2,3人しかいなく、他は外部資源に頼っています

■□■ 箇条8.2.3.1(要求事項を満たす)能力 ■□■

8.2.3.1には、顧客に提供する製品及びサービスに関する要求事項
を満たす能力をもつことが要求されています。

具体的なものに置き換えてみましょう。テクノファの場合、”顧客に
提供する製品及びサービスに関する要求事項を満たす能力”に
は、次のものがあります。

 ・講師の理解しやすい講義力
 ・教材編集力
 ・便利で明るく清潔な研修室
 ・スピードの速いCP、IT機器
 ・明るいプロジェクタ、など

■□■ 8.3.4b)(要求事項を満たす)能力 ■□■

8.3.4 には、設計・開発を行う管理の一つに、要求事項を満たす能
力を評価するレビューを行う、という要求があります。

テクノファで新しい研修コースを設計した場合、前の項で述べた能
力が充分にあるかを確認しなければなりません。

 ・講師の理解しやすい講義力
 ・教材編集力
 ・便利で明るく清潔な研修室
 ・スピードの速いCP、IT機器
 ・明るいプロジェクタ、など

■□■ 8.4.1c)(外部提供者の)能力 ■□■

8.4.1 には、組織が外部のプロセス,製品及びサービスを活用する
場合,プロセス又は製品・サービスを提供する外部提供者の能力
に基づいて,外部提供者の評価,選択,パフォーマンスの監視,
及び再評価を行うための基準を決定し,適用しなければならない
、と要求しています。

テクノファでは最重要能力である講師の能力を評価する基準を作
成し、コース実施ごと毎回パフォーマンスの監視,及び再評価を
行っています。

■□■ 8.4.2組織の能力  ■□■

8.4.2 には、外部から提供されるプロセス,製品及びサービスが組
織の能力に悪影響を及ぼさないことを確実にしなければならない
、と要求しています。

ここでいう組織の能力は、テクノファの例で言えば代表的なものと
して講師の能力になるでしょう。

そして、8.4.2c)1)には、外部から提供されるプロセス,製品及びサ
ービスが,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を一
貫して満たす組織の能力に与える潜在的な影響を考慮に入れて
、外部提供者の管理をしなければならない、と要求されて
います。

■□■ 8.5.1f)(組織の)能力    ■□■

8.5.1 の製造及びサービス提供の管理については、そのf)に
管理された状態で実行しなければならない項目として次にものが
指定されています。

「f) 製造及びサービス提供のプロセスで結果として生じるアウトプ
ットを,それ以降の監視又は測定で検証することが不可能な場合
には,製造及びサービス提供に関するプロセスの,計画した結果
を達成する能力について,妥当性確認を行い,定期的に妥当性を
再確認する。」

テクノファの例でいうと講師の講義はまさしくそれ以降の監視又は
測定で検証することが不可能な場合であり、計画した結果を達成
する能力すなわち講師の力量を妥当性確認しなければなりませ
ん。

製品及びサービス | 平林良人の『つなげるツボ』

—————————————————–
■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.117 ■□■
*** 製品及びサービス ***
—————————————————–

■□■ 製品とサービスの違いは? ■□■

ISO9001:2015規格では、従来「製品」と表記していたものをすべ
て「製品及びサービス」に変えました。これはサービス業への配
慮であると言われています。

ISO9000:2015規格にはこの2つの用語の定義が次のように書か
れています。

●製品の定義:組織(3.2.1)と顧客(3.2.4)との間の処理・行為な
しに生み出され得る,組織のアウトプット(3.7.5)。

●サービスの定義:組織(3.2.1)と顧客(3.2.4)との間で必ず実行
される,少なくとも一つの活動を伴う組織のアウトプット(3.7.5)。

■□■ 定義の意味するところ ■□■

皆さん、2つの定義の違いを理解できるでしょうか?私は最初に
接したとき、定義が何を言いたいのか直ぐには分かりませんでした。

製品の定義とサービスの定義の違いは、定義の記述の真ん中
にあります。定義の書き出しは両方とも「組織(3.2.1)と顧客(3.2.
4)との間」となっていて同じです。

定義の終わりも両方とも「組織のアウトプット(3.7.5)」となってお
り同じです。

2つの定義の違いは、真ん中の(●製品)「・・・の処理・行為なし
に生み出され得る,」と(●サービス)「・・・で必ず実行される,少
なくとも一つの活動を伴う」に見出すことができます。

■□■ 処理・行為なしに生み出され得る ■□■

製品の定義の真ん中には「・・・の処理・行為なしに生み出され
得る,」とありますが、製造する過程においては定義が言うように
顧客との間での処理・行為は原則ありません。

組織は製品スペックを決めるときには顧客と接触をしますが、一
度スペックが決まれば、それ以降は如何にスペックどおりに製
品を組織が実現するかの段階になり、顧客との間に
は原則、処理・行為は存在しません。

■□■必ず実行される,少なくとも一つの活動を伴う■□■

サービスの定義の真ん中には「・・・で必ず実行される,少なくと
も一つの活動を伴う」とありますが、サービスは顧客との間で直
接の活動が存在する、と定義をしています。

これは、組織がサービスというプロセス(少なくとも一つの活動)
を実行すると即顧客に納入されることを意味しています。

例えば、私がISO規格の解説をするというサービスを実行すると
即受講生の方に納入されますが、これがサービスの本質である
ということです。

したがって、サービスのプロセス実施においては、失敗は許され
ません。
サービスは在庫を持てませんし、事前の検査もできません。

失敗すると謝るしかありません。場合によっては賠償を要求され
るかもしれません。
ですから、サービスは必ず妥当性確認をしておくことが要求され
るのです。

■□■サービスとサービス業は違う■□■

ここで、サービスとサービス業は違うということを明確にしておか
なければならないと思います。

サービス業にも製品はあります。逆に製造業にもサービスはあ
ります。

サービス業はサービスが提供価値の中心を占めています。製
造業は製品が提供価値の中心を占めていますことから両者の
特徴が生まれます。

■□■ 箇条4.3製品及びサービスを考慮する ■□■

箇条4.3には、組織はQMSの適用範囲を決める際には、組織の
製品及びサービスを考慮しなければならないと規定されています。

製造業は製品、サービス業はサービスを適用範囲にすることが
多いでしょうが、場合によっては両者を対象にすることもありえ
ます。

適用範囲に製品及びサービスの両者を含むとすると、当然8.3
製品及びサービスの設計・開発の対象も両者ということになるで
しょう。

規格の読み方 | 平林良人の『つなげるツボ』

—————————————————–
■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.116 ■□■
*** 規格の読み方 ***
—————————————————–

■□■ 規格の要求事項の読み方 ■□■

英語でshallと表記される要求事項の読み方は、いままでと変え
なければなりません。ISO9001:2015の0.1一般でもshallの説明
がされております。

今までは、shallに直接続く動詞に掛かる部分を要求事項と考え
る人が多かったようです。例えば、箇条4.1「組織及びその状況
の理解」の要求事項は、文の最後にある「・・・外部及び内部の
課題を明確にしなければならない。」であると理解されてい
ました。

これは英語と日本語の構文の違いがあるからですが、文中にあ
る「意図する結果」、「組織の能力」は、組織として明確にしておく
べきものであり、そうでなければ、「外部及び内部の課題の明確
化」は、結果として組織の現状に合わない形式的なものになっ
てしまいます。

■□■ 従来の読み方 ■□■

従来までの読み方だと「意図する結果」、「組織の能力」はあま
り重要視されてこなかったようです。認証審査でも、従来の審査
の仕方では「外部及び内部の課題の明確化」に焦点が当てら
れ、「意図する結果」、「組織の能力」は審査の対象にはなって
いなかったようです。

しかしそれだと目的を見失った手段のみを追い求めていると言
わざるを得ません。その成果は目的から遠く離れた結果を得る
こととなり、2015年版が強調しているパフォーマンスの向上を望
むべくもないことになるでしょう。

■□■ これからの読み方 ■□■

箇条4.1の読み方は、「組織は,組織の目的及び戦略的な方向
性に関連し,かつ,その品質マネジメントシステムの意図した結
果を達成する組織の能力に影響を与える,・・・」の全部が規格
要求事項であるとすべきです。

従来もそのような考え方で規格を読んでいたはずですが、2015
改正を経てそのことが一層明確になりました。「意図する結果」、
「組織の能力」は、箇条4.1「組織及びその状況の理解」に初出
しますが、以降、それぞれ次の2か所、4か所の箇条にキーワー
ドとして出てきます。

これら2か所、4か所のいずれにおいても「意図する結果」、「組
織の能力」という用語は組織に固有なものとして考えてQMSを
構築しなければなりません。組織に固有な用語として明確にし
ておかないと、具体的な対応を取ることができないので、その結
果QMSは効果のないものになってしまうでしょう。

■□■ 「意図する結果」の2か所 ■□■

1か所目:
箇条5.1.1 g) には「品質マネジメントシステムがその意図した結
果を達成することを確実にする」と要求されています。
ここはトップマネジメントへの要求であり、トップはこの要求にこ
たえるためには、「意図した結果」を明確にしてそれを達成する
ためにリーダーシップを発揮しなければなりません。

2か所目:
箇条6.1.1a)には「品質マネジメントシステムが,その意図した結
果を達成できるという確信を与える」という一文があります。ここ
にも「意図した結果」がでてきますが、意図した結果を達成する
ために取り組むべきリスクと機会を決定する、という要求になっ
ています。

■□■ 「組織の能力」の4か所 ■□■

1か所目:
「4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解」に次のような文章
の中にでてきます。「次の事項は,顧客要求事項及び適用され
る法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して
提供する組織の能力に影響又は潜在的影響を与えるため,組
織は,これらを明確にしなければならない。」

2か所目:
「4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定」に次のよう
な文脈にでてきます。

「組織は,品質マネジメントシステムの適用範囲を定めるために,
その境界及び適用可能性を決定しなければならない。」

(中略)

適用不可能なことを決定した要求事項が,組織の製品及びサ
ービスの適合並びに顧客満足の向上を確実にする組織の能力
又は責任に影響を及ぼさない場合に限り,この規格への適合を
表明してもよい。」

3か所目、4か所目:
「8.4.2 管理の方式及び程度」に次の規定の中にでてきます。
「組織は,外部から提供されるプロセス,製品及びサービスが,
顧客に一貫して適合製品及び適合サービスを引き渡す組織の
能力に悪影響を及ぼさないことを確実にしなければならない。
組織は次の事項を行わなければならない。

(中略)

c) 次の事項を考慮に入れる。
1)外部から提供されるプロセス,製品及びサービスが,顧客要
求事項及び適用される法令・規制要求事項を一貫して満たす組
織の能力に与える潜在的な影響

2)外部提供者によって適用される管理の有効性」

これら4か所の「組織の能力」は、いずれも組織に固有な能力と
読まなければなりません。組織の能力を一般的な言葉として読
み飛ばしてしまうと、上述の4か所の要求事項は意味のないも
のになってしまうでしょう。

組織にはいろいろなその組織に固有な能力があるわけですから、
それらの多くの能力のどの能力と関係してくるのかを理解して、
QMSの構築を計画する必要があります。
そうでないと、ISO9001;2015が意図している組織のパフォーマン
スは上がらないと思います。