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ISO審査員が知っていると組織の背景を理解するに有益な情報をお伝えします。昨今の「人的資本開示の義務化」の動きについて説明していますが、この動きは人々の働き方に大きな変化を及ぼしますのでキャリアコンサルタントの方も知っておくと良いと思います。
人事評価の難しさは今も昔も変わっていません。評価は当初の目標がどの程度達成できたかによって行われるのが普通ですが、評価の困難さは次の2つにあります。
- 目標の設定
ここでの困難さは目標の困難さの見極めにあります。安易な目標であれば達成程度は高くなります。逆に目標が難しいものであれば達成度合いは低くなります。
課題となるのは、この目標の安易、難しいをどんな尺度で図るのかということです。いくつか図る候補はありますがいずれも決め手を欠き決定打はありません。 - 達成度合いの評価
定量的に評価できる場合はここでの課題にはなりませんが、定性的な評価の場合は部下と上司の間での折り合いが難しい場合が多くあります。
- ① 目標の設定
いろいろな目標があり得ます。
・現状を向上する目標
・問題を解決する目標
・仕組みを作る目標
・新しいことを開発する目標
このように従事している仕事によって目標はいろいろですので、自分と他人との目標の難易度を議論することはあまり意味がありません。 - ②評価基準
基本的には数値化することですが、すべての目標の評価を数値化できるわけではありません。そこで評価時の達成状態、などをA、B、C評価するなどが行われます。 - ③ 納期
いつまでに完成させるかを決めておきます。
①個人のパーパスと成長ビジョンの2つの重なりを見つけ、個人の職務において、当期にどのような取組にチャレンジしていくかを話し合って決める。 期中は月一回以上の 1on1 コミュニケーションを通じて、タイムリーなコーチング・ フィードバックや状況の変化に応じた取組の見直しなど行う。
〇期末には、「インパクト」、「行動」、「学びと成長」という3 項目で個人を評価する。先述の通り、評価項目や基準はできるだけシンプルなものとするため、全社的なKPIなどは定めず、基本的には各部署が必要に応じて設定している。他方で、評価プロセスは全社で統一しており、直属の上司とその上位役職者の2段階の評価を経た上で、最終評価は、各部署の評価者が参加する会議で本部長が決定することとしている。段階を経た確認・検証を行うことで、評価結果の妥当性を確保することを企図したものである。
〇評価に対する納得性の向上に向けては、評価結果と本人の認識にギャップが出ないよう、期中の1on1 コミュニケーションにおいてタイムリーにフィードバックを行うよう上司に対して促している。また、評価結果に疑問のある社員に対しては、 必要に応じて直属の上司より上位の役職者からも説明を行うなどにより対応して いる。
〇評価結果の報酬への反映については、管理職は賞与額、非管理職は基本給の改定と賞与決定に反映する。出典 https://www.cas.go.jp/ 内閣官房 JOB型人事指針
(つづく)平林良人